うつ病治療に、薬以外に必要なものとは?振り返って考えてみる。

以前、この記事で触れたのですが。うつ病闘病中、「薬だけ飲んでいれば治ると思われると困るよ」と、医師から言われ半ば絶望したのを覚えています。

その後、別の医師に、「きっと合う薬が見つかりますよ。大丈夫」と言われて、目の前が開けたような気がしたんですが。

前者の医師の言葉は、当時は受け入れられず、その一言でまた激しく落ち込み、もう何も希望がないと、トボトボ歩いて帰ったことを覚えています。ですが今となっては、この医師の言うことも、一理あるな、と思います。

医師も多忙で余裕がなさそうで、確かに伝え方はまずかったかもしれないけれど、確かに薬だけでは、寛解を経て、自分が思い描くような、生き生きとしたセルフイメージを取り戻すのは、難しいだろうな、と今は思います。

この先きっと良くなる、という希望や、生活も何とかなるという見通しからくる心の平穏、普段の毎日の中の安心感や心地良さ、心から湧き上がる楽しみ、自分は求められ、人の役に立っている、という充実感など、日常的な栄養が必要だな、と思います。薬に頼り過ぎず、過剰に拒絶もせず、付き合うことが良いのでは?、と考えています。

抑うつ状態でとにかく苦しい、先の不安に押し潰されそう、焦燥感に常に追い立てられている状態では、患者は目の前のことしか見えず、正気を保っているだけで精一杯です。

思考エネルギーも枯渇しているので、いろんな情報から、必要なものを選んで試行錯誤する、といった通常できる行動ができなくなるのが、うつ病です。

以前、私の状況を殆ど知らない友人が、メールのやり取り数回で、薬を止めた方が良いんでは?と勧めてきた時、一瞬で爆発してしまった、と記事にしましたが。

自らの経験からも、声がけや話の持っていき方に、細心の注意が必要だな、まずは、患者の心の安定を図る必要があるな、と思っています。

うつ病患者のサポートについては、先ほどの記事でも書きましたが、内容を追加してみようと思います。

①どういう環境が落ち着くか?を把握

好きな音楽や香り、家族との接触頻度や家庭内の環境など。

本人が分かっている場合は、環境作りに協力し、分かっていない場合は、さりげなく、無理せず機会がある時に問いかけて、一緒に探してみる、などしてみるのはどうかな、と思います。

②好きなものを把握。

音楽を聴くのが好き、書くこと、手を動かすこと、観劇、運動など。

③ストレスを感じる状況はどんな時か、を把握。

会社からの連絡、家族からの干渉、義理の家族との関係、家庭内不和、騒音など、実はいろいろ抱えている場合があって。

うちは、親子仲は良いし、十分サポートもしている!と思っている親が、医師に対して「学校も行っていないのに、ストレスがかかると思えないんですけど…」なんて、本人の前で悪気なく言ってしまっていたり。実は、心を開くと危険と判断して、黙っている場合も多いのでは、と思います。

私の場合は田舎住まいだったので、自立支援制度の更新手続きなどの際、市役所に行くのが、とても苦痛でした。

同級生が働いていて、手続き内容が筒抜けだからです。自分だけこんな状態で無職、という羞恥心と罪悪感が、抑うつ気分に拍車をかけたので、母親が代わって手続きを行ってくれた時は、本当に助かりました。

快方に向かってからは、自分のことだから、自分で向き合わなくては、と何とか済ませるようになりました。辛そうな時期は、状況に応じてサポートしてあげるのは、重要なのでは、と思います。

④頭ごなしに「薬をやめろ」と言わない。

患者が、最後の砦のようにすがっている薬を、「薬だけ飲んでいてはダメだ」と奪い取るのは、逆効果だと思います。

できれば、適度なタイミングで、医師が徐々に誘導してくれればベストかな、と思います。

私の医師の伝え方では、患者にとって一番大切な希望を打ち砕くだけなので、伝えるならば、例えば、「生活習慣病なら、薬以外に適度な運動、食事制限などが必要だよね。薬では代わりにならないから、同時に提示されている訳だよね」というように説明してもらえれば、受け入れやすかったのでは、と思います。

まぁこれも、患者の行動に繋がるかどうかは、毎回しっかり診療時間が確保されていて、医師との関係が良く、患者の安心感が絶対条件とはなりますが…。

④患者が好きなことを一緒に楽しむ

闘病中、ある友人にとても助けられた、と上記の記事で書きましたが。父親の介護については、頑張るべきなんじゃないか、と厳しい一言をくれた彼女ですが、一貫して言っていたのは、「今はそういう時期だと思って、もっと遊んだら?」でした。

彼女は専門家ではありませんが、頑張り過ぎてエネルギーがゼロになってしまった状態、だということを、よく分かっていたんだなぁ、と思います。

彼女が私の母親だったとしたら、私が興味を持ちそうなものを持ってきたり、一緒にやろうと誘ったりして、自分も楽しそうにしていただろうな、と思います。

ある程度病状が落ち着いて、早く仕事に復帰しなければ!と、ただ焦っていた当時の私に必要だったのは、適度な休息を確保しつつの、ポジティブな刺激だった、と今は思います。

それが。心から湧き上がる楽しみだったなら、さらに効果が高かっただろうなと。そういう趣味などがなかったが故にうつ病になってしまう、という側面もあると思うので、本人は根気よく自分の心の栄養は何か?を探る、周りは、それを温かく見守りサポートする必要があるのでは、と思っています。