エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY 印象的なセリフ集5

映画で英語の勉強も趣味の一つで、最近は、コールドケースにハマっております。

未解決事件を扱うお話なので、事件発生時の時代背景が感じられる面白さや、時間の経過と共に表れてくる、複雑に絡み合う人間模様が面白いのですが、私が一番惹かれる心理戦という観点からは、やはりエレメンタリーには全く敵いません。

前回に続いて、シーズン1からの講評を。ネタバレありますので、これから観る!という方は、読み飛ばしてくださいませ。

・シーズン①のエピソード20

ホームズが通う、薬物依存者の会合で、脱薬物1周年を祝う記念のメダルが贈られる、とホームズに受け取るよう勧めるワトソンですが、ホームズは「脱薬物を長さで評価するのはバカげてる」と固辞します。

一つ目のセリフは、ホームズのたゆまぬ努力を誰よりも評価し、メダルを是非受け取って欲しいと思うワトソンとの会話から。

「君は元付き添いだ。叱責や監視の義務はない。君の助言が欲しい時は、俺から聞く」
「正論だわ」

まずこのシーンで、ワトソンの人間的な成熟度が感じられ、おぉー、素晴らしいなぁと思いました。

相手にとってどれだけためになると思っていても、「あなたのためだから」と、ここでこれ以上押すのは、ご法度なんですよね。

何かを勉強したり経験を積んで、ある程度のレベルに達すると、こういった場面で押し過ぎて逆効果になりがちだなぁ、と改めて自戒です。

ホームズはワトソンの、しっかりと意見は言うけれど、道理を弁え、かつ相手の領域に立ち入り過ぎないというマナーを持ち合わせている部分も、高く評価していると思います。

ホームズは、薬物依存の支援者であるアルフレードからも、会合でメダルを受け取って欲しいと背中を押されます。断るホームズに、アルフレードはこう言います。

「でもメダルはー、道しるべなんだ。あんただけの問題じゃない。ほかの者の励みになる。自分にもやれるかも、と」

ホームズが、依存症回復には、お互いの励まし合いが必要だと強く実感するようになる変化は、前回のエピソード15でよく語られています。

メダルを受け取ることは、他の人の期待も背負うものだと気づかされたら、ホームズは、メダルを尚更重いものだと感じるようになっただろうと思います。

今回のエピソードのメインの話は、アルフレードからもたらされます。レイプの恐喝被害に遭っている友人家族を紹介されたホームズは、その事件を引き受けることにするのですが。

その際に言うセリフがコチラ。

「俺は恐喝犯を軽蔑してる」
「連中は、ある意味殺人犯よりもっと卑劣だ」

心から共感し、恐喝を憎むホームズに拍手を送りたいと思いました。

結局、レイプの被害者の1人の父親が、恐喝稼業を引き継いでいたことが分かり、犯人として捕まるんですが、犯人の特徴的な指輪が、最終的に特定の鍵となります。

この男性、話の途中で、復讐心から犯人の一人を殺したことが判明し、事情聴取で取り調べを受けるんですが。

今回この記事を書くにあたり、もう一度見返していたら、取調室の中で自供する様子を撮る際に、さりげなく最初に指輪を画面に入れていることが分かり、さすが~!と唸りました。

話の最後で、再度メダルの件が持ち上がります。

ホームズが頑なにメダル授与を避けていたのには理由があって、それをワトソンに話すんですが、その時の彼の話し方から、激しい葛藤が伝わってきます。

ホームズが重い口を開きます。

「脱薬物の一周年記念日は実はー、明日じゃない」

薬物治療の施設に入れられることになったホームズは、薬物と吸引道具も壊して施設に入ったのですが。

次の日具合が悪くなったホームズは、施設を抜け出して薬をやり施設に戻ったため、実は一周年は明後日なんだとワトソンに告げます。

一日の違いでしょう、364日の努力は変わらないと慰めるワトソンですが。

「あの日やめると決心したんだ。この俺がだぞ。なのに24時間後…」「些細なことに思えるだろうが、俺は細部にこだわる男だ。見過ごせない」

誰よりも自己分析や自制心に自信があるホームズにとって、自分が決心したことを、24時間後に自分であっさり覆したことは許せず、恥ずべき汚点で、それを思うと、誇らしくメダルを受け取るなんてことは絶対にできないんだな、と思いました。

覚せい剤で逮捕となった清原氏も、ドキュメンタリーで、自分ではまだどこかでコントロールできると思っていたところを、精神科の医師に、重度の依存症だと言われてから変わったと話していました。

それを認めることがスタートですが、自分に誰よりも厳しく、日頃の努力に裏打ちされた自信があり、頭が切れる人ほど、強い決心に対する自分の翻意が許せず、そのしくじりを何倍にも感じるんだろうなぁ、と思いました。

最後のシーンでは、ワトソンが、難解なところがホームズ向きだと思って買った、と額に入った詩を送ります。

静かに一周年を祝うところが、ホームズとワトソンらしいな、と思いました。